不登校の親の在宅ワーク|仕事を辞めるか続けるか、その間にある道

自宅で子どもを見守りながらパソコンで在宅ワークをする母親のイメージ Webライター

朝、学校へ欠席の連絡を入れて電話を切ったあと、「このままでいいのかな」と考えてしまう。外で働きたい気持ちはあるのに、子どもの予定で身動きがとれない。そんな自分を、責めていませんか。

私も同じでした。娘の登校に付き添い、教室の隅で背中を見守る日々のなかで、「外で働く」という選択肢は少しずつ消えていきました。収入がない不安と、社会から取り残されていくような孤独。どちらも、誰にも言えずにいたのです。

この記事では、不登校の子どもがいる親が外で働きにくい理由を私自身の体験から整理し、仕事を辞めるか続けるかの間にある「在宅ワーク」という道を紹介します。後半では、未経験の私がWebライターを選び、独学で歩き始めるまでの記録もお話しします。

読み終えたとき、「働けないのは私のせいじゃなかった」と少し肩の力が抜けて、今日できる小さな一歩が見えているはずです。

不登校の子がいて外で働けないのは、あなただけではありません

自宅でパソコンを開き、ソファで横になる子どもを気にかける母親

不登校の小・中学生は、令和6年度に約35万4千人と過去最多になりました(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」令和7年10月29日公表)。私も、娘の不登校をきっかけに、外で働くことが難しくなりました。

「みんな働いているのに、どうして私だけ」と思ってしまう気持ち、よくわかります。

娘が学校へ行けなくなったのは、小学校の途中でした。娘には自閉症があり、きっかけは学校から「支援学級に移ってほしい」と言われたことです。娘は「どうしてみんなと同じクラスにいちゃいけないの」と泣きました。支援学級が悪いわけではありません。ただ娘には、みんなと同じ教室にいたい気持ちが大きかったのだと思います。

ここでは、私が外で働きにくくなった理由を2つお話しします。

理由1|登校が安定せず、日中の予定が立てられない

学校に行けるかどうかは、その日の朝までわかりません。決まった時間に出勤する働き方とは、どうしても両立しにくくなります。

私は3か月間、毎日娘の登校に付き添いました。教室の隅に立ち、娘の背中を見つめる日々です。行けない日の朝は、学校へ欠席の電話を入れました。電話をかけるたびに、気まずさと申し訳なさが積もっていきました。

学校のほかにも、病院や市の子育て相談などとのやりとりがありました。予約や面談が重なると、平日の予定はすぐに埋まります。気づけば、子どものサポートを中心とした生活が10年以上続いていました。

理由2|子育てを一人で担っていて、代わりがいない

家族は3人ですが、娘の子育ては実質、私が一人で担ってきました。付き添いも、急な予定の変更も、代わってくれる人はいませんでした。

家の中でも、気持ちが休まらない時期がありました。

働けないのは、あなたの努力不足ではありません

同じ年の子は毎日学校へ通っているのに、どうしてうちの子だけ。そう比べて、自分を責めた時期が私にもありました。

学校に相談したときに「お母さんに甘えているだけですよ」と言われたこともあります。学校には学校の見え方があったのだと思いますが、当時の私にはつらい言葉でした。「一人でこの子を守らなければ」と覚悟を決めた日のことは、今でもはっきり覚えています。

でも、朝まで予定が決まらず、代わってくれる人もいない。そんな状況で外で働きにくいのは、努力が足りないからではありません。毎日精いっぱい子どもを支えている自分を、まずは認めてあげてください。

仕事を辞めるか続けるか。その間にある在宅ワークという道

自宅のパソコンの前で、これからの働き方について考える女性

辞めるか続けるかの二択ではありません。自宅で仕事を受ける在宅ワークなら、子どもの予定に合わせて働きやすくなります。

働けない理由がわかっても、「じゃあどうすればいいの」という悩みは残りますよね。ここでは、仕事との向き合い方を選択肢として整理します。

なお、「在宅ワーク」という言葉は、会社員が自宅で働く在宅勤務を含めて使われることもあります。この記事では、会社に雇われず、業務委託などで自宅から仕事を受ける働き方を「在宅ワーク」として紹介します。厚生労働省は、こうした働き方を「自営型テレワーク」と呼んでいます(出典:厚生労働省「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」)。

辞めるか続けるかは、子どもの状態と家族の支えで変わる

私は30代のころ、医療事務として病院の受付やレセプト(診療報酬の請求)の仕事をしていました。やりがいはありましたが、残業や土日の出勤が多く、家族と過ごす時間は削られていくばかり。悩んだすえに、退職を選びました。

仕事を辞めるか続けるかには、それぞれに理由があります。

・辞める理由:付き添いや通院に対応でき、子どもの安心を優先しやすい
・続ける理由:収入を保てるうえ、自分の社会とのつながりや気持ちの安定にもなる

どちらが正しいということはありません。子どもの状態、家族の支え、職場の柔軟さによって、答えは家庭ごとに変わります。

「子どもが不登校なのに働くなんて」と、後ろめたく感じる必要もありません。親が自分の生活を保つことは、子どもを支え続ける力にもなります。

4つの働き方を比べると、在宅ワークは時間の自由がいちばん大きい

「辞める」と「続ける」の間には、ほかの選択肢もあります。代表的な4つの働き方を、子どもを支えながら働く視点で比べてみました。

働き方収入時間の自由付き添い・通院との両立始めやすさ
仕事を辞める給与収入がなくなる大きいしやすい該当なし
今の仕事を続ける安定しやすい職場の勤務時間に沿う休みの調整が必要今のまま
会社員の在宅勤務安定しやすい勤務時間は決まっている通勤がない分、調整しやすい制度のある職場に限られる
在宅ワーク(業務委託)仕事量しだいで、安定までに時間がかかる自分で決めやすい予定に合わせて調整しやすい未経験から挑戦できる仕事もある

※一般的な傾向をまとめたもので、職場や仕事の内容によって異なります。

ただし在宅ワークは、収入が安定するまでに時間がかかる点に注意が必要です。

在宅ワークなら、子どもの予定に合わせて作業時間を動かせる

在宅ワークなら、家で子どもを見守りながら、作業する時間を自分で動かせます。私の場合は、次のように時間をやりくりしてきました。

・付き添いをしていた頃:付き添いの合間や、夜の時間に少しずつ進める
・今:朝4時に起き、家族が起きる前の時間に、在宅の仕事の準備や調べものをする

家族がまだ寝ている時間は、誰かに呼ばれることもありません。前日にできる準備は前日に済ませ、朝は家族のことを先に片づけてから、残りの時間を作業にあてています。こうして時間を確保しておくと、子どもの急な予定変更があっても、慌てずに対応できています。

不登校の親が始めやすい在宅ワークは、Webライターやデータ入力など

在宅ワークにはいくつか種類があります。自宅でできる仕事としては、たとえば次のようなものがあります。

・Webライター:Webサイトやブログの記事を書く
・データ入力・文字起こし:決められた形式でデータを入力したり、音声を文字にしたりする
・SNS運用:企業や個人のSNSの投稿を作る
・アンケートモニター:アンケートに答えて謝礼を受け取る
・ハンドメイド販売:手作りの作品をネットで販売する
・スキル販売:得意なことを、オンラインのスキル販売サービスで仕事にする

どれが合うかは、得意なことや、使える時間によって変わります。私はこのなかから、Webライターを選びました。次の章で、その理由と始めるまでの道のりをお話しします。

未経験の私がWebライターを選び、独学で始めるまで

自宅でパソコンの学習動画を見ながら、本とノートを使ってWebライターの勉強をする女性

YouTubeで在宅ワークを知り、生活に合わせて続けられるWebライターを選びました。未経験から、独学で少しずつ学び始めています。

「特別なスキルがあったから始められたんでしょう」と思われるかもしれません。でも私は、まったくの未経験からのスタートでした。

きっかけはYouTube。「家にいながらできるかもしれない」と思えた

はじまりは、偶然見たYouTubeの動画でした。在宅で働く方法を発信している方の動画です。そこから、同じように在宅ワークを実践している人たちの動画へと、少しずつ見る範囲が広がっていきました。

「これなら、家にいながらできるかもしれない」

画面の向こうで語られる在宅ワークの話は、外で働くことをあきらめかけていた当時の私には、小さな光のように見えました。

Webライターを選んだのは、生活に合わせて続けられる働き方だったから

動画で紹介される在宅ワークのなかで、私が惹かれたのがWebライターという仕事です。理由はシンプルでした。

・自宅にいながら、自分の生活に合わせて仕事ができる
・子どもの予定や体調に合わせながらでも、続けられる可能性がある

付き添いの日もあれば、通院の日もある。急に予定が変わることもあります。そんな生活の私にとって、「決まった時間に、決まった場所へ行かなくてもいい」働き方は、何よりの条件でした。

未経験から、独学で一歩を踏み出した

Webライターになると決めてから、まずは情報を集めることから始めました。特別な経験があったわけではありません。誰にも聞けず、何が正解かわからないまま手探りで進む心細さもありました。それでも、今の自分にできることから少しずつ行動してきました。

今は、クラウドソーシング(ネット上で仕事を受発注できるサービス)などで案件に応募しながら、このブログとnoteで記事を書いています。まだ道の途中ですが、学びと発信を少しずつ続けています。

「未経験だから無理」と最初から決めてしまわなくて大丈夫です。私も、ゼロからのスタートでした。

【3記事目公開後にリンクを設置】独学での具体的な学び方は、「Webライターの独学・勉強方法」の記事で詳しく紹介しています。

Webライターの具体的な始め方は、別の記事にまとめました。何から手をつければいいか知りたい方は、Webライターの始め方を7つのステップにまとめた記事もあわせて読んでみてください。

在宅ワークを始める前に知っておきたい現実

自宅でパソコンと書類を確認しながら考える女性

在宅ワークは始めてすぐに稼げる仕事ではありません。「簡単に稼げる」とうたう勧誘には注意し、困ったら188へ相談を。

在宅ワークに希望を感じても、「本当に大丈夫かな」という不安はありますよね。始める前によく出てくる疑問に、一つずつお答えします。

子どもが家にいても、作業に集中できる?

子どもが家にいれば、声をかけられたり、そばにいてほしいと言われたりするのは自然なことです。

だからこそ私は、家族が起きる前の朝など、呼ばれることの少ない時間帯に作業をまとめるようにしています。

私自身、予定どおりに進まない日はあります。それでも、子どものそばにいられること自体が、在宅ワークを選んだ理由でもあります。

「スキマ時間で簡単に稼げる」という広告は信じていい?

うのみにしないでください。在宅ワークは、始めてすぐにまとまった収入になる仕事ではありません。

「スキマ時間で簡単に稼げる」とうたう副業をめぐるトラブルについて、国民生活センターは2026年5月に注意を呼びかけています。紹介されている事例には、次のようなものがあります(出典:国民生活センター「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」2026年5月19日)。

・最初に少額の報酬を受け取ったあと、「失敗の連帯責任」などを理由に高額の支払いを求められた
・遠隔操作アプリを入れさせられ、消費者金融から借り入れをさせられた

収入の不安があるときほど、「簡単」「すぐに」という言葉に心が動きます。だからこそ、一度立ち止まって考えてみてください。

怪しい副業に困ったら、どこに相談すればいい?

まずは、次のようなサインがないか確認してみてください。

・仕事を始める前に、お金を払うよう求められる
・高額なサポート契約をすすめられる
・遠隔操作アプリのインストールを求められる
・「必ず稼げる」「誰でも簡単に」と強調される

困ったときや「おかしいな」と感じたときは、一人で抱え込まずに相談しましょう。

・消費者ホットライン「188(いやや)」:最寄りの消費生活センターなどにつながります(出典:国民生活センター)
・厚生労働省「ホームワーカーズウェブ」:在宅ワークのルールや、契約トラブルの相談先が紹介されています(出典:厚生労働省 ホームワーカーズウェブ)

すぐにまとまった収入が必要なら、在宅ワークだけに頼らない

在宅ワークは、収入が安定するまでに時間がかかる働き方です。生活費がすぐに必要な状況なら、在宅ワークだけに頼るのは負担が大きくなります。

その場合は、短時間のパートや、在宅勤務ができる仕事と組み合わせる方法もあります。子どもの状態や家計にあわせて、無理のない形を選んでかまいません。

どの道を選んでも、あなたと家族の生活と気持ちに合うペースを優先してください。焦らなくて大丈夫です。

自分の時間を取り戻すために、今日できる小さな一歩

明るいリビングで子どもを見守りながら、パソコンとノートを前に穏やかに過ごす母親

子どもと同じように、自分の時間も大切にしてかまいません。大きな一歩はいらず、今日できる小さなことから始めれば十分です。

この記事でお伝えしたかったことは、次の3つです。

・子どもの事情で外で働けないのは、あなたの努力不足ではない
・仕事を辞めるか続けるかの間に、在宅ワークという道がある
・在宅ワークはすぐには稼げない。だからこそ、小さく焦らず始めればいい

子どもに時間をかけるのは当たり前だと、私はずっと思っていました。けれど今なら、子どもを大切にするのと同じように、自分の時間も大切にしていいのだと思えます。周りの人に相談しながら、少しずつ自分の時間を取り戻していく。そして、自分の力で収入の柱をつくることを目指していく。

経済的に少しでも余裕が生まれると、心にも余裕が生まれます。その余裕は、家族や周りの人に笑顔で接する力にもつながっていくはずです。

もし今、「外で働けない」事情を抱えながら一人で頑張っているなら、伝えたいことがあります。

今すぐ答えを出さなくても大丈夫です。

時間はかかっても、自分に合った道はきっと見つかります。最初から大きな一歩を踏み出す必要はありません。私がそうだったように、今できる小さなことから始めればいいのです。

あの教室の隅で娘の背中を見つめていた頃の私に会えるなら、そう伝えたいと思います。この記事が、あなたの背中をそっと押すきっかけになればうれしいです。

「Webライターという道が気になる」と思った方は、未経験から始める7つのステップをまとめた記事を、次の一歩の参考にしてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました